2018-11-02 JAL44便の操縦士が英国で拘束 | 社内検査を不正するほど飲酒した理由と今後の進展 トレンド 飛行機 JALは11月1日、ロンドン・ヒースロー空港を10月28日の夜7時に出発するJAL44便、羽田行きの10月29日午前4時ロンドン発羽田行きの便に乗務予定だった男性副操縦士(42)が、乗務直前に基準値を超えるアルコールが検出されたとして、ロンドンの警察当局に逮捕されたと発表しています。JALが独自に行っている搭乗前の検査では異常なアルコール値は検出されなかったそうなのですが、JALは副操縦士が社内の検査を不正操作した疑いがあるとみているようです。 長い距離国際線に搭乗した場合、パイロットはインターバルをとる必要がある 今まさに日本のサラリーマンについても議論されているようなインターバル制度(業務と業務の間には一定の休息時間を設ける必要がある)がパイロットにはあるんです。 国際線乗務でも特に8時間を超えるフライトになれば体への負担も大きくなります。高度かつ高速で移動している物体の中で働くっていうのは意外と疲れるんですよね。見えない疲労も蓄積します。ですので、普通は現地(この場合はロンドン)に着いてからは路線によって1日から2日程度のインターバルを挟み、また日本へ戻る便に乗務するパターンが一般的。休みの間は現地で自由に過ごせます。もちろん飲酒もOK。一般には搭乗12時間前までであればいくら飲んでもOKみたいです。ただ、もちろんインターバルの本来の趣旨は休息をとることですが・・・。 規制上限がなく、ワインもビールも美味しいから飲みすぎてしまう 冗談のような理由ですが、疲れたパイロットが気分転換のために少し飲みたくなるのはよーくわかります。で、お酒が美味しいものだからついつい飲みすぎてしまう。。。この気持ちもよーくわかりますね。しかし規制上限がないっていうのがまったく何を考えているのかよくわかりませんね。まだまだおおらかな昔ながらの気質が残った親方日の丸会社ということでしょうか。ANAも最近パイロットの飲酒事件を起こしていますね。フランスとか沖縄とか。フランスにいたってはパイロットではないですがパリの支店長だとか。。ちなみにJAL、ANAで欧州のパリやロンドンで支店長になるレベルになると将来は社長も狙えるポストなので相当お高くとまってしまう人もいるのでしょうね。またホテルなどは当然会社負担で宿泊できますし、何度も同じ国に来ているとお酒くらいしか楽しみがなくなるのかなとも思います。残念でなりませんが。いずれにせよ、ロンドンもパリも沖縄も、お酒が美味しいので、飲酒好きなパイロットは搭乗NGにさせるぐらいやったほうがいいのでは、JALさん、ANAさん、どうですか? 【スポンサーリンク】 釈然としない会見と4つの疑問 しかしJALの会見もまったくといっていいほどスッキリしないものでした。まずは、社内検査をどうやってすり抜けたか分からないと。。。えーと、①どうやって再発防止するんですかね??? で、無茶苦茶大量に飲んでるわけですから、絶対に前科があると考えるのが自然ですよね。大ベテランに近いそうなので、②私が以前搭乗したことがある便はもしかしたら飲酒フライトだったかもしれません。お客さんをリスクにさらしてしまった場合の賠償は??? しまいには、バスの運転手があまりのアルコール臭に気づいて通報したそうなんですが、③社内検査で一緒に検査したといわれる機長は全く気付かなかったんでしょうかね??? 鼻が良くない? で、この操縦士と機長にはどのような処分が下るのでしょうか。おそらくは懲戒になるのでしょうね・・・。④でも果たしてパイロット免許のはく奪というルールはあるのでしょうか? まぁそれでも、免許さえあればLLCや海外など働く場所はたくさんあるでしょうね。でもそんな人が操縦するフライトには乗りたくないなぁ。。 最後に個人的なもう一つの疑問。再度の会見とルール整備が必要 イギリスで逮捕されるほどの事件ですし、まだまだ未解明のことが多いですよね。例えばこの操縦士、誰と飲んでいたのでしょうか?これがJALのイギリス駐在員/ロンドン駐在員とかだったら更なる問題でしょうね。あとは邪推ですがスチュワーデスと飲んでたとかね。でも十分にあり得ることでしょう。さすがに1人ではそんなに飲まないのではないかと・・・。 前述の4点に加えてこの点も含めた合計5点については是非ともきちんと解明して説明して欲しいですね。 それからまともな話としては再発防止に向けた実効性のあるルール作りをお願いしたいですね。記者会見したJALの役員の方は、「どうやって不正したかは分からない」と述べていましたが、現場で普通にすり抜けるくらいですからパイロットの間ではほとんど常識なのではないかと思います。その実態をしらないトップ層にも問題ありますよね~。 ぜひ一人のパイロットのせいにすることなく、会社や業界として取り組んでもらいたいですね。 【スポンサーリンク】 色々書いたけどパイロットは救済して欲しい 色々と書きましたが、個人的にはパイロットは解雇にせず、やり直しのチャンスを与えてほしいです。最高次元の高い安全性と倫理観が求められる職場ですから、そういった傾向のある人はNGという議論もあるでしょう。でも、組織として研修などを通じてかなりの部分が防げるのではないかとも思うのです。あまりにもアルコールへの依存が高いのはNGだと思いますが、そういった傾向などもきちんと検査してあげて、大丈夫そうなら再度チャンスをあげる、そういった姿勢があってもいいのではないかなと思います。業界のリーディングカンパニーとしてどういった対応を見せてくれるのか非常に興味深いとともに、自分の帰国便としての影響もあるので動向から目が離せません!しっかり状況を見守っていきたいですね。それでは! 【スポンサーリンク】 にほんブログ村 ロンドンランキング